高圧注入止水防水 TAPグラウト工法

特長と原理



TAPグラウト工法とは、コンクリート構造物の打継ぎ部またはひび割れによる空隙部に止水効果のある充填材(TAP注入液)を注入する止水工法です。
TAPグラウト工法では、コンクリート躯体をドリルで穿孔し、逆止弁付高圧注入専用プラグ“O-プラグ”を設置します。このO-プラグを設置した空間は加圧域と呼ばれ、O-プラグを設置することにより、高圧力を逃がさず、漏水経路に伝えることのできる空間になります。
この加圧域に専用高圧注入機“TAP注入機”を用いて高圧力で継続的に“タップグラウト注入液”を送り込みます。この加圧域から大量に送り込まれた注入液が漏水の侵入経路全体に広がり、躯体内部の水と置換され、漏水経路全体を充填することにより止水します。
また漏水経路全体を充填材に置換することにより、コンクリート躯体内部への水の侵入を防ぎ、漏水箇所の補修だけにとどまらず、コンクリート構造物の耐久性向上もに寄与します。





従来の急結セメントや手押しポンプによる止水、“表面止水(図-1)と違い、コンクリート構造物中の浸入水を全て追い出し“躯体止水(図-2)を行い、鉄筋等から他の部分に水が廻るいわゆる二次漏水の発生を防ぎます。

(図-1)表面止水(従来工法)
注入液が表面付近で止まる
コンクリート構造物を傷つける
二次漏水の可能性が高い
工期が長い
コンクリートの強度を低下させる
止水跡が大きく目立つ

(図-2)躯体止水(TAPグラウト工法)

注入液が深くまで届く
水と注入液を置換する
二次漏水を防止する
工期が短い
特殊注入プラグ(O-プラグ)で注入圧力を安定(保持)する
継続的に安定した止水効果を得る。
止水跡が目立たない



ここが違う
コンクリート厚の中心部付近まで空隙を貫通する穴をあけ、奥の方から注入していく
⇒充填材(TAP注入液)が深くまで届く
100〜350kgf/cm2の高圧力で注入する
⇒内部の水を追い出す=浸入水とTAP注入液を置換
特殊注入具(O-プラグ)で注入圧力を保持する
⇒TAP注入液が深くまで届く
注入した充填材の品質が安定している。
⇒継続的に安定した止水効果を得る。





新技術情報提供システム(NETIS)とは国土交通省管内の各職員が最新建設技術の情報をそれぞれのパソコン上で自由に検索、閲覧できるシステムです。
又インターネットによって広く一般にも公開される情報システムです。

NETIS登録番号 KT-010022
新技術名称 TAPグラウト工法
評価の種別 準一般工事に活用する技術
TAPグラウト工法は、国土交通省新技術適用性等評価で準一般工事に活用する技術と評価され、新技術情報システム(NETIS)に登録されました。